リビング新聞の記事

「漢方Q&A」より

円形脱毛症に漢方が効きますか?
Q 昨年春ごろから円形脱毛症になり通院していますが、なかなか治りません。漢方薬で治療することはできないでしょうか。 (67歳、女性)
 円形脱毛症は、突然、円形や楕円形に脱毛が起こる病気です。日本人の1~2%に発症するとされていますが、原因はまだよく分かっておらず、最近では、自己免疫疾患とする説が有力です。細菌やウイルスなどの外敵を攻撃をするはずの働きが、自分の体を攻撃してしまうことにより発症するということです。
 しかし、アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎などを起こすアトピー素因や精神的ストレスによる影響も大きいとされています。
 漢方では「禿瘡(とくそう)」、「頭禿(とうとく)」などといい、やはり昔からさまざまな薬が工夫されてきました。
 さて、漢方では円形脱毛症に限らず頭髪に関して興味深い作用を表すことが何度かありました。
 頭髪には何も問題を感じていない人が他の症状を改善するために続けて漢方薬を飲んでいると、いつの間にかその人の頭髪が増えたことや、白髪が減って、頭髪が黒くなったと喜んでくれた人が何人もあります。
 これらは願って得られる効果ではないと思いますが、適切な漢方薬を続けて飲むと体全体が整うという見本のようなものでしょう。
 禿瘡は漢方の効果が表れるまでの期間が長くなりがちで、短くとも数カ月の単位で様子をみることが多いものです。
 定評のある漢方書「漢方診療医典」にも「難治とされていた症例が、漢方の長期内服により、変調的に好転するものがあるから試みるがよい」と書かれてあり、漢方を試してみる価値はあると思います。
 顆粒や錠剤などの製剤になっていて、手軽に利用できる漢方薬の範囲では次のようなものがよく使われます。
 大柴胡湯(だいさいことう) しっかりした体質で、みぞおちが硬く張り、便秘の傾向がある人に
 小柴胡湯(しょうさいことう) 小児や青年期に発症し、やや虚弱体質の人に
 柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりょうこつぼれいとう) 心下部や右脇腹が硬く張り、へその上で動悸(どうき)を感じ、便秘傾向があり、神経がたかぶるような人に
 桂枝加龍骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう) 虚弱傾向があり、疲労しやすく、神経過敏な人に
 逍遙散(しょうようさん) 虚弱傾向で、肩が凝り、疲れやすく精神不安などのある人に
 十全大補湯(じゅうぜんたいほとう) 体力がなく虚弱な人で、疲れやすい人に
 防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) 肥満した美食家で便秘傾向がある人に