生活情報紙「さりお」の記事

「ここが知りたい漢方」より

「長く飲まないと効果が出ない」という誤解
飲み始めてから効果が現れるまでの期間の目安
 「漢方薬は長く飲まないと効果が出ない」と誤解されていることが少なくありません。
 実際には、一般的に考えられているより、はるかに早く効果を発揮する場合も多いのですが、なぜこのような誤解が生まれるのでしょうか。
 漢方が治療の中心だった江戸時代は、病気になると、まず漢方薬で治療をしていました。
 現代では大半の人が、まず西洋医学で治療をします。その段階で治ってしまえば、漢方薬に頼ることはないでしょう。
 結果的に、西洋医学で対応が難しい病気の人や、長年悩んでいる慢性的な症状がある人が漢方を頼ることが多く、効果が現れるまでにある程度の期間がかかっても当然といえます。
 これだけ発展した西洋医学でも治りにくい病気の人が試すのですから、漢方でも簡単に治ることばかりではありません。
 これが「漢方薬は長く飲まなければ効かない」といわれるようになった理由の一つでしょう。
 しかし、西洋医学でなかなか治らない難しい病気が、漢方に切り替えた途端に短期間で症状が改善されることもあるので不思議なものです。
 「西洋医学だから早く治り、漢方だから時間がかかる」というわけではないのです。漢方も西洋医学もそれぞれ得意分野があるので、上手に利用することが大切です。
 では、漢方薬を飲み始めてから効果が現れるまでの期間の目安を簡単に述べてみましょう。
 慢性的に悩んでいる症状でも、漢方薬を飲んだ翌日から効果が出て驚くことがときにありますが、通常は2~3週間で効果に気付くことが多いものです。
 なかには効果が実感できるのが遅い場合もありますが、長くても2~3カ月を限度として試してみてください。
 虚弱体質や冷え症などの体質改善を目的とするときにも、慢性病の場合と同様に考えればよいでしょう。
 月経痛や月経不順の場合は、少なくとも3回程度の月経の状態を観察すれば効果が分かることがほとんどです。
 漢方薬の効果の出方は、飲む人の体質や状態によって異なります。これは漢方薬に限った話ではなく、西洋医学の痛み止めが胃の負担になる人とならない人、同じお酒を飲んでも酔う人と酔わない人がいるように、どんなものに対しても当てはまることでしょう。
 ただし、漢方の場合は体質と症状に合わせた適切な薬の使い方がなされていなければ、本来の効果を発揮できませんから注意が必要です。