生活情報紙「さりお」の記事

「ここが知りたい漢方」より

梅雨で気になる「気象病」と中湿
水の不調・中湿の症状を改善する代表的な漢方薬
 沖縄は早々に梅雨入りし、岡山もじめじめとした、湿気が気になる日が増えてきました。
   湿気が多い時期には、めまい、関節痛、倦怠(けんたい)感、胃腸の不調などのさまざまな症状に悩まされる人は少なくありません。
 また、「天気が悪くなると頭痛がする」「古傷が痛むと雨が降る」という経験をされた人も多いのではないでしょうか。
 最近は、このような気象の影響によって発症したり、症状が悪化したりするものは「気象病」と呼ばれるようになりました。メディアでも気象病という言葉を聞くことが増えたように思います。
 中でも湿気が増して悪化する症状は、漢方でも湿気に中(あた)ることで病む「中湿(ちゅうしつ)」と考えられます。
 中湿は古い医学書の目次の項目の一つにも挙げられ、先人の知恵と経験を知ることができます。
 さて、漢方には、「気血水(きけつすい)」という考え方があります。

 気(き)は精神、エネルギー、臓器の働きなどの機能的なものや目に見えないもの。
 血(けつ)は肉体、臓器、血液、ホルモンなどの器質的なものや目に見えるもの。
 水(すい)はリンパ液、消化液、痰(たん)、涙など血液以外のすべての体液を指すと考えます。

 この3つは、それぞれが影響し合っており、どれかが乱れると身体の不調の原因になると考えられています。
 中湿は水の不調と捉えられるため、水の巡りや偏りを調整する作用がある漢方薬を用いることで症状が改善することが多くあります。
 今回は中湿の症状を改善する漢方薬の代表的なものを紹介しましょう。

二陳湯(にちんとう)
 嘔吐(おうと)、めまい、動悸(どうき)などに用いられることが多い漢方薬です。二陳湯は、気血水のうちの水の偏りを調整する多くの薬の基本となる処方です。

五苓散(ごれいさん)
 下痢などの胃腸の不調や、水を飲むとすぐに吐き出してしまうような嘔吐に用いられる漢方薬です。尿量が少なく、口渇のある人に適すること 多い薬です。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
 変形性膝関節症、多汗症などに用いられる漢方薬です。色が白く、俗にいう水太りといわれる体質で、疲れやすく、下半身がむくみやすい人に適することが多い薬です。

 中湿といっても、症状の出方は人それぞれ。体質によって適する薬は異なります。
 漢方薬は、専門家に相談して適したものを選びましょう。