生活情報紙「さりお」の記事

「ここが知りたい漢方」より

歯周病と漢方薬
緩んだ歯茎が引き締まったり、症状が治まったりするなど
歯周病にも漢方薬が奏功します
 漢方が歯周病に効果があると知っている人は少ないようです。実は、漢方でも、口の中の病気に対応してきた長い歴史があり、意外に著効を示すことが多いものです。
 歯を失う代表的な原因として、歯周病が挙げられます。歯周病は、歯周病菌によって、歯を支えている周囲の組織が悪くなる病気です。生活習慣病の一つで、食生活や喫煙などが影響すると考えられています。
 歯周病の初期段階として歯肉炎があり、出血や歯茎の腫(は)れが見られます。歯肉炎が悪化すると、歯周炎へと進行し、口臭がきつくなる、歯茎が下がって歯が長く見えるなどの症状が現れてきます。
 さらに症状が進むと、膿汁(のうじゅう)が出るようになります。この状態を歯槽膿漏(しそうのうろう)といい、歯を支えている骨が破壊され、歯は抜けてしまいます。
 歯周病は痛みがない場合も多く、自覚した時には、かなり悪い状態まで進行している怖い病気でもあるのです。
 さて、歯周病の改善には漢方が役立つことが多くあります。歯槽膿漏まで進行して、出血や膿(うみ)がある場合でも、1カ月もしない間に、緩んだ歯茎が引き締まったり、色が改善したりした人は少なくありません。
 実際に私の身内にも、歯槽膿漏に対する漢方薬がよく効いた例があります。短期間、漢方薬を飲んだだけで歯茎が引き締まって盛り上がったといいます。
 ほかにも、歯槽膿漏が悪化し続けて、一本ずつ歯が抜けていた人が、残り2本になったときから漢方薬を飲み始め、数カ月間薬を飲んだだけで20年以上も症状が治まったことがあります。
 両者とも漢方薬本来の剤型である煎じ薬での著効例でしたが、効果の試しの期間は、煎じ薬なら1~2週間から1カ月。顆粒剤や錠剤の場合は、もう少し長期で様子を見ればよいでしょう。
 いろいろな漢方薬がありますが、入手しやすい顆粒剤や錠剤の漢方薬を紹介しましょう。
 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)は、歯茎からの少量の出血が止まらない場合に適することが多いでしょう。
 甘露飲(かんろいん)は、口臭があったり、歯茎が腫れたり痛んだりして、ただれている場合にはよく用いられます。
 排膿散及湯(はいのうさんきゅうとう)または排膿散は、歯茎が紫色に腫れ、痛む場合に使われることがあります。 
 歯周病は悪化させないことが大切です。定期的な歯科検診で指導を受けながら、漢方薬も上手に利用しましょう。