漢方薬を試す期間は?
一概には言えませんが、急性症状と慢性症状によって試しの期間は異なります。
- 急性症状の場合
風邪などの急性症状の場合は西洋医学で対応している人が多いでしょう。
しかし、長引いている時には漢方薬を試してみてもよいかもしれません。
多くの場合は1~2週間もあれば薬の方向性をみることはできるでしょう。 - 慢性症状の場合
現在は西洋医学が主流の時代ですから、漢方薬を試す前に症状がかたまってしまっている場合が少なくありません。
慢性的な症状であれば、様子見の期間を1~2ヶ月ほどと考えておけばよいでしょう。 - 女性の月経に関する症状の場合
多くの場合、月経は月に1度のものです。
2回の様子見をしようと思えば、どれだけで最低でも2ヶ月が必要です。
月経に関する症状については、2~3ヶ月を目安に試すとよいでしょう。
漢方薬の価格は?
漢方薬の価格のページで詳しく説明しております。
こちらからご覧ください。
漢方薬は何種類も飲まないといけないの?
漢方薬は西洋医学とは異なり、全身を見て薬を選んでいきます。
西洋医学であれば、「胃が悪ければ胃薬、咳が出ていれば咳止め、発熱があれば解熱剤」というように1つの症状に対して1つの薬で対応する場合がほとんどです。
一方、漢方薬は「胃が悪くて、咳・発熱がある状態の人」に合う薬を選びますので、基本的には1種類で対応します。
しかし、次のような方には2種類の漢方薬を飲んでいただくことがあります。
- 1種類の漢方薬で対応できない複数の症状をお持ちの方
- 適する漢方薬の製剤がない時に、2種類の漢方薬を組み合わせて別の内容の漢方薬として使用する場合
健康保険がきくものと自費の漢方薬と何が違うの?
使用している原料の品質や、製剤中のエキスの量が異なる場合がほとんどです。
保険診療では、国が生薬ごとの購入金額を決めています。
そのため、高品質な生薬の使用が実質的に不可能に近い現状があります。
漢方薬の効果を最大限に引き出すためには、品質のよい生薬が欠かせません。
大学病院でも、こじれた症状の場合は自費の漢方薬に切り替えるところがあります。
エキス製剤と煎じ薬とはなにが違うの?
漢方薬の効果を左右するのは、原料である生薬の品質と、漢方薬の剤型です。
煎じ薬は、原料である生薬をことこと煮込んでつくる漢方薬本来の剤型です。
顆粒剤や錠剤の多くは漢方薬を煎じてエキス成分を抽出したエキス製剤です。
コーヒーに例えるなら、焙煎豆が煎じ薬、顆粒剤や錠剤がインスタントコーヒーとイメージすればわかりやすいでしょう。
一般の方の多くは、薬の剤型が異なっても同じような効果が得られると考えていますが、実際にはかなり大きな違いがあります。
全く同じ原料を使用して、錠剤、顆粒剤、煎じ薬をつくった場合の効果は【 錠剤<顆粒剤<<煎じ薬 】となりますが、原料の品質が異なる場合は、この限りではありません。
漢方薬は、配合される生薬の品質によって効果の良し悪しが決まります。さらに錠剤、顆粒剤は、各メーカーの製造方法によっても効果が変わります。
煎じ薬は自分で煎じないといけないの?
漢方薬の効果を最大限に引き出すには、漢方薬本来のかたちである煎じ薬が1番よいのですが、なかなか手間がかかるものです。
手間が問題だという方には、寿元堂薬局がお客様に代わって漢方薬を煎じ、1包(1回分)ずつ真空状態でアルミパック包装してお渡しすることができます。
封を切ってそのまま服用できるため、飲みやすいと好評です。
煎じ薬10~30日分から承っておりますが、1回の注文(30日分迄)毎に1,500円(税別)の手数料をいただいています。
副作用はあるの?
副作用というのは必要な医薬品を服用したときに出る余分な不都合な作用のことをいいます。
漢方の長い歴史の中で、重篤な副作用を起こす漢方薬は淘汰され、副作用の出にくい効果的な薬の使い方が現在に伝わっています。
そのため、漢方薬を適切に使用すれば副作用の心配はほとんどありません。
もちろんまれには特殊なアレルギーなどで予測ができない副作用が出ることはあるかもしれません。
しかし、漢方薬の副作用とされるもののほとんどは、「誤治(ごち)」という、誤用による悪い結果のことのようです。
例えて言うなら、漢方薬の副作用の多くは、刃物をもてあそんでケガをして、それを刃物のせいにして副作用というようなものなのです。
漢方医学には、「証(しょう)」という、個人の体質や病状を総合的に判断する指標があります。
以前の話ですが、西洋医学の現場で証が軽視され、「風邪には葛根湯」といった病名だけで漢方薬が選ばれていたことがありました。
「小柴胡湯(しょうさいことう)」という漢方薬が、慢性肝炎での肝機能障害を改善すると証明されました。そして、証に関係なくむやみに用いられた結果、「間質性肺炎」という重篤な副作用が出て問題になったのです。
国もこれを問題視し、それ以降「患者の証(体質・症状)を考慮して投与すること。」と薬の説明書に注意点として記載されるようになりました。
また、副作用と誤解されやすいものに「瞑眩(めんげん)」があります。
証の判断は正しいけれど、症状が一時的に悪化することを「瞑眩」といい、一過性の病気の増悪のあと、病気が治癒する方向に向かいます。
誤治も瞑眩も副作用とは区別がつきにくいものです。漢方薬は専門家に相談しながら服用しましょう。
どうしたら漢方薬をもらえるの?
漢方では、「風邪には葛根湯」というように病名だけで薬を選ぶことはできません。
同じ風邪でも、発熱や悪寒の有無、胃の調子など、様々なことを参考にして薬を選びます。このように、病名だけでなく、一人一人の体質と症状に適した漢方薬を選ぶためには、まずは1度ご相談ください。
妊娠中は漢方薬を止めた方がいいの?
妊娠中に服用を中止した方がよい漢方薬、逆に妊娠中に服用した方がよい漢方薬などありますので、妊娠をした際には1度ご相談ください。
※他の病院や薬局で服用されている方に関しては、その方の経緯や様子がわかりませんので、お問い合わせいただいてもお答えしかねます。現在お薬をもらわれているところにお問い合わせください。
漢方薬を服用する上で注意することはありますか?
病気によっては、日常生活上の問題を解決することで漢方薬の効果を実感しやすいことがあります。
日常生活の不摂生や過労などが病気の原因や、症状の悪化を引き起こしている場合には、生活を見直した方がよいでしょう。
漢方薬を飲んでいるからと言って無理をせず、養生することも大切です。