世間では漢方薬は高価だということをよくいいます。
たしかに普通の薬局・薬店にある薬よりは高価なものが多いのですが、本当に漢方薬は高価なのでしょうか。
私を含めて、まじめに漢方に取り組んでいるものからみますと、漢方薬が高価というよりも、“不必要な高貴薬や多種類の漢方薬”を飲んだり(飲まされたり)、健康食品やサプリメントなどを”漢方薬と同じように必要なもの”と錯覚させたりなど、“漢方商法”といってもいいような営業方法が漢方の高価なイメージを作り上げているような気がします。
ちなみに寿元堂薬局では、85%以上の人が一種類の漢方薬だけを持ち帰っています。
(※漢方專門薬局の実際「服用した漢方薬の数」参照)
また、寿元堂薬局を含めて、本来の漢方薬局は中国の薬やサプリメントに頼ることは稀です。
漢方薬の通常の価格は?
薬局で扱われる漢方薬の多くが箱に入っています。
これらは、一箱(一瓶)で10日~30日分の薬が入って、約3000円~1万円程度のものが普通です。
専門薬局に多いのですが、何日分かずつ小分けにしてくれる薬局があります。
その場合は1日分の価格になりますが、一部の特殊なものを除いて、通常は以下の範囲です。(消費税別)
漢方薬の種類 | せんじ薬 | 顆粒剤 | 錠剤 |
---|---|---|---|
1日分の 価格 | 600~ 900円 | 300~ 600円 | 300~ 400円 |
なかには、高価な漢方薬もあります
漢方薬の通常の価格は上記のとおりですが、中には高価な薬があります。
昔から”金と同程度の価格”といわれる牛黄(ごおう)をはじめ、鹿茸(ろくじょう)、熊胆(ゆうたん=くまのい)、麝香(じゃこう)などです。
熊胆、麝香は野生動植物に関する国際条約で保護されており、正当に使用できるものは以前よりもさらに高価になっております。
また、人参、サフランなども、求め方によっては高価になります。
このような高貴薬は、効果を確かめながら、それなりの価格(1ヶ月分が4~5万円から15~6万円くらい)を納得して飲むものであって、漢方薬の一般的な価格の参考にはなりません。