服用した漢方薬の数~ 漢方専門薬局の実際 ~
一人の方に寿元堂薬局で飲んでいただいた漢方薬の剤数です。
ここでは詳しいデータがそろっていた平成17年について調べてみました。
これを見ると、実に85%以上の人が一種類だけを持ち帰っています。
このことから、ほとんどの相談に対して、一種類の漢方薬で対応できていることが分かります。
なお、二種類以上を持ち帰った人は、多い順に次のいずれかのケースです。
- 複数の病気や症状があり、複数の漢方薬で対応せざるを得なかった。
- 複数の漢方薬を組み合わせて、別の漢方薬(加味方(かみほう)や合方(ごうほう))として飲んでもらった。
- 相談者が、常備用の風邪薬などの漢方薬を希望した。
- 効果を高めるために、やむを得ず、一つの病気に複数の漢方薬や生薬(しょうやく)を使った(通常、最初から複数の薬を服用することはありません)。
- 民間療法として、二種類以上の薬草を同時に用いた。
- 相談者が、漢方薬のほかに薬草や健康食品を希望した(寿元堂薬局では、相談者に対して、薬草や健康食品などの必要性を感じることはほとんどありません)。
ところが世間には、これらの理由がなくても、一度にたくさんの種類の漢方薬、サプリメント、健康食品などを飲んでいる人がいます。
漢方薬は、体質と症状に適したものを服用すれば、十分な効果が得られます。
よく効くようにとたくさんの種類を飲んでも、無駄になることが多いでしょう。
そして、漢方薬は高価なのに効かないといった、誤った評価につながるのは残念です。