誤解だらけの漢方薬
著者 編者 | 北山 進三 著 |
発行年月日 | 平成23年2月20日 |
発行者 | 岡山リビング新聞社 |
定価 | 1,300円(税別) |
サイズ | 四六判、227ページ |
岡山リビング新聞社が出版
寿元堂薬局は、創刊当初より30年以上にわたって岡山リビング新聞社が発行する「リビングくらしき」新聞にコラムを掲載して、漢方をさまざまな角度から取り上げて皆さんに紹介し、漢方の啓蒙に努めてきました。
その「リビングくらしき」新聞が創刊25周年の時に、それまでの集大成として「誤解だらけの漢方薬」をまとめました。
本書を通じて、少しでも多くの人に漢方を理解していただくことを願っています。そして、必要とする人たちから漢方本来のすばらしい価値を遠ざけないためにも、日本の伝統医学である漢方を大切にしてほしいと思うのです。
「漢方って何?」と聞かれて答えられますか…
今では、病院、薬局、健康食品の販売コーナーなど多くの場所で、「漢方」や「漢方薬」という言葉がよく使われています。
しかし「漢方って何?」と聞かれて、正しく答えられる人はどのくらいいるでしょうか。
私の印象では、何となく中国の医学などと思い込み、長く飲まないと効いてこないと決めつけている人がほとんどだと思います。
『誤解だらけの漢方薬』では、漢方の常識をわかりやすくまとめました。
漢方薬を飲んでいる人も、これから飲もうと思っている人も、一度は読んでいただきたいと思います。 読めば漢方に関する誤解の多さがわかるでしょう。
内容から一部抜粋
- 長く飲まなければ効かないと思い込んでいませんか?
- 漢方は「中国の医学」ではなく「日本の医学」!
- 飲み方や飲む温度で効果が変わる
- 効果の出やすい漢方薬の剤型は?
- 「薬を効かせる」のは漢方家の腕次第
- 「風邪なら葛根湯」は大間違い
- 漢方は一人一人に合わせて薬を選ぶ
- 漢方の古典は知識の宝庫
- 生薬の加減が変わるだけで効果が劇的に変わる
- 日本で消費されている漢方薬の大半がインスタント
「誤解だらけの漢方薬」の目次
はじめに
第一章 私と漢方
- 父の勧めで就職した漢方薬問屋
- 恩師、柴田(しばた)良治(よしはる)先生
- しつこい湿疹が治ってびっくり
- 手探りで始めた漢方の勉強
第二章 漢方と漢方薬
- 漢方は日本の伝統医学
- 三千年以上の歴史を持つ中国医学
- 漢方の歴史
- 漢方と中医学(ちゅういがく)の違い
- 漢方の存在価値
- 漢方の長所と短所
- 「長く飲まねば効かない」という誤解
- 漢方の効果が出るまでの期間
- 適切に使えば副作用の心配は少ない
- 瞑眩(めんげん)があらわれると早く治る
- 薬草と生薬(しょうやく)
- 薬草とは
- 生薬(しょうやく)とは
- 漢方薬は生薬(しょうやく)の組み合わせ
- 生薬(しょうやく)と西洋薬
- 漢方薬の剤型
- 昔の剤型
- 現在の剤型
- 煎じ薬の作り方
- 顆粒剤・錠剤の製造法
- 漢方薬の品質
- 変化に富んだ昔の漢方薬の飲み方
第三章 漢方薬の使い方
- 体全体のバランスを整えて病気を治す
- 証(しょう)を見極めることがカギ
- 陰陽(いんよう)
- 虚実(きょじつ)
- 陰陽(いんよう)・虚実(きょじつ)は中庸がよい
- 気血水(きけつすい)
- 五行説(ごぎょうせつ)
- 傷寒(しょうかん)と三陰三陽病(さんいんさんようびょう)
- 「漢方」と「漢法」
- 現代に活かしたい古典の知識
- 漢方薬の効き目の不思議
- 加減方(かげんほう)で変わる効果
- 合方(ごうほう)で広がる応用
- 飲む温度で変わる効果
- 右と左で使い分け
- 漢方処方の数の推移
- 中国の処方集では
- 日本の処方集では
- 日本の現状
- 漢方製剤で使える処方の増やし方
- 漢方と西洋医学
- 薬の違い
- 漢方薬と西洋薬は基本的に併用可能
- 漢方専門薬局を訪れる人と西洋医学
- 病名漢方とは
- インスタント漢方薬も使い方次第
第四章 漢方専門薬局の実際
- 私の薬局の約二十年間のデータから
- 漢方薬が利用されている疾患の大別
- 漢方薬が利用されている病気
- 漢方薬が利用されている分野
- 漢方薬を利用する人の年齢と性別
- 利用されている漢方薬の剤型
- 一人が服用する漢方薬の数
- 漢方薬の効き方の実例
- アトピー性皮膚炎
- 慢性湿疹
- 主婦湿疹
- ニキビ
- 不妊症
- 卵巣嚢腫
- 子宮筋腫
- 不眠症
- 耳鳴りと頭痛
- 片頭痛
- 自律神経失調症
- 膝関節症
- 関節リウマチ
- 胆石症
- 糖尿病
- 慢性の便秘
- 高血圧症
- 気管支拡張症
第五章 漢方各論
- 女性と漢方
- 女性の不調の原因は「瘀血(おけつ)」
- 月経不順や月経痛は、三、四ヶ月で漢方の効果が分かる
- 月経を整えるための漢方薬
- 妊娠中に飲むとよい漢方薬
- 産後の肥立ちにも漢方薬を
- 不妊と漢方
- 相談の多い不妊症
- 「なんとなく調子が良い」から妊娠へ
- 不妊に使われる漢方薬
- 不妊に著効例は珍しくない
- 冷え症と漢方
- 冷え症の相談が年々増加
- 冷えの問題を重視してきた漢方
- 暑い夏でも冷えに注意を
- 気血水(きけつすい)の乱れが冷えにつながる
- 冷え症に使われる漢方薬
- 元気になる漢方
- 元気を取り戻す漢方薬
- 手足がだるい人には補中益気湯(ほちゅうえっきとう)
- 牛の胆石や鹿の角も強壮剤
- 高齢者と漢方
- 老眼の度が軽くなったケースも
- 物忘れがひどくなったときの漢方薬
- 足腰が弱ってきたときの漢方薬
- 失禁をするようになったときの漢方薬
- 皮膚の病気と漢方
- 皮膚病には少し根気をもって服用を
- アトピー性皮膚炎もだんだんと良くなる
- 治りにくい慢性の湿疹にも
- 鵝掌風(がしょうふう)と呼ばれる主婦湿疹
- 皮脂と水分が減ってかゆくなる皮膚掻痒(そうよう)症
- ニキビには清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)などを
- 瘀血(おけつ)をなくせばシミも消える
- イボに効くヨクイニンは胃腸のポリープもなくす
- 痛みの病気と漢方
- 神経痛から、ねんざ、骨折にまで漢方は役立つ
- 変形性膝関節症の痛みが漢方薬で軽減
- 椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症の神経痛にも著効
- 腰痛の症状を細かく分類して漢方薬を使い分ける
- 治りにくい関節リウマチにも
- 五十肩も早く治る
- 外傷にも漢方薬を
- 消化器の病気と漢方
- 消化器で最も多い胃腸の相談
- 胃の病気によく使われる安中散(あんちゅうさん)
- 六君子湯(りっくんしとう)や半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)も胃腸の病気に
- 便秘には下剤でなく漢方薬を
- 胃腸に次いで多い肝臓の相談
- 胆嚢の病気にも漢方薬を
- 呼吸器の病気と漢方
- 苦しい呼吸器の病気に
- 気管支喘息の発作を遠ざける漢方
- 呼吸器の病気に使われる漢方薬
- 耳と鼻の病気と漢方
- 原因不明や難治性の病気でやって来る相談者
- 相談が多い耳鳴り
- 水毒によって起こることが多いめまい
- 自分の難治性中耳炎を治した名医
- 難聴を細かく分類して漢方薬を使い分け
- 三十年ほど前から増えてきたアレルギー性鼻炎
- 不快な慢性副鼻腔炎
- 鼻茸や無嗅覚症を治す漢方薬も
- 心の病気と漢方
- 増えてきた心の病気
- 相談が最も多い神経症
- 心の病気を独自に分類してきた漢方
- 心の病気に使われる漢方薬
付記 漢方薬を上手に利用するために
おわりに
文中に記載または引用した漢方書(引用順)
(参考文献)
電話:086-422-351810:00~18:30(日・祝を除く)