さりお 寿元堂薬局の漢方よもやま話
肋間神経痛にも試す価値あり
神経痛の一つに肋間(ろっかん)神経痛があります。
肋間神経痛は肋骨に沿って通っている神経に、何らかの原因で痛みが生じる病気です。
電気が走るような鋭い痛みから、ヒリヒリとした痛みまで程度はさまざまですが、脇腹や背中から胸にかけて痛むことが特徴です。
椎間板ヘルニアや帯状疱疹(ほうしん)、肋骨の腫瘍など原因が明確なケースと、原因不明でストレスや体の凝りなどが関与していると考えられるケースがあります。
どちらの場合も、痛む場所や痛みの強さ、体質などを考慮して漢方薬を選びます。
例えば、柴陥湯(さいかんとう)という薬は、みぞおちにつかえる感じがあり、咳をした時に胸が痛むような肋間神経痛に用いられることがあります。
なお、柴陥湯は、体質を選んで使えば、胸の痛みの症状を目安の一つにして、肋間神経痛のほかにも気管支炎、肺炎、胸膜炎などの病気にも応用できる漢方薬です。
ほかにも、痛みが寒さによって増す場合、便秘の人の胸や背中が痛む場合など、肋間神経痛に応用できる多くの処方が昔から使われてきました。
漢方薬が奏功することは少なくないため、長い間悩まれているのであれば、漢方薬を一度試してみてもよいでしょう。
肋間神経痛は過労で体が弱った時に患うこともあります。
忙しい年末年始はついつい無理をしがちですが、あまり頑張りすぎず良いお年をお過ごしください。