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さりお 寿元堂薬局の漢方よもやま話

自律神経の乱れを漢方薬で整える

4月は新生活をスタートする人が多い時季。知らず知らずのうちに体に負担がかかっている人は多いものです。

さて、自律神経には交感神経と副交感神経があり、この2つは対照的な働きをもっています。

これらがバランスよく働き、環境の変化があっても一定の状態を保つようにする〝恒常性〞という機能が、私たちの体には備わっています。

暑い時は発汗して体を冷やし、寒い時は震えによって熱を産生し、体温を一定に保とうとする働きもその一つです。

季節の変わり目、生活環境の変化、精神的な負担などに自律神経が対応しきれない場合に、心身に不調が現れることがあり、これを自律神経失調症といいます。

この病気は、検査では器質的な異常が出てきません。

しかし、症状は人によって実にさまざまで、めまい、発汗、動悸(どうき)、のぼせ、冷え、食欲不振などの肉体的な症状が現れることがあります。

また、頭が重い、倦怠(けんたい)感、疲れやすい、イライラする、不安になるなどの精神的な症状が現れることもあります。

見た目は健康そうに見えるため、周囲に理解してもらえずつらい思いをしている人も少なくありません。

漢方では昔から、肉体的な症状にも、精神的な症状にも、その人の体質と症状に合わせて、多くの薬が工夫されてきました。

西洋医学の薬と併用も可能なので、専門家とよく相談して上手に漢方薬も利用しましょう。