同じ薬でも、西洋薬と漢方薬は違う―と知っている人は多いでしょう。
今回は、特徴的な異なる点を紹介します。
まずは、含まれる有効成分の違いから。
西洋薬は単一の化学成分が効果を表します。解熱鎮痛薬の「ロキソニン」の場合、ロキソプロフェンナトリウム水和物が効果を表す成分になります。
漢方薬は、1つの処方に数種類の生薬(しょうやく)が含まれます。煎じた際、それらの生薬から出る成分が複雑に絡み合い効果を表します。
痛みのある症状に利用される薏苡仁湯(よくいにんとう)は7種類、疎経活血湯(そけいかっけつとう)は17種類の生薬が含まれ、まとめて煎じて飲みます。
不思議なもので、生薬一つ一つから抽出した成分をまとめて飲んだ場合と、最初から生薬をまとめて煎じたものとでは同じ効果を得られません。
次に、科学的なものか経験的なものかの違いです。
西洋薬は科学的な研究で有効成分が作られ、実験の繰り返しで薬が完成します。そのため、使用法も科学的根拠に基づいています。
一方、経験の積み重ねで進歩してきたのが漢方薬。
はるか昔から多くの漢方薬が作られ、実際に使用することで取捨選択され、その繰り返しで効果的な漢方薬とその使用法が今に伝えられているのです。
漢方薬は含まれる生薬や伝承の経験が大切で、複雑なもの。
試すときは専門家に相談してみてはいかがでしょうか。