Q 小学3年生の娘が、しょっちゅう口内炎を患い、困っています。口内炎があると、「トマトは染みる」などと言って嫌いなものを食べたがりません。次々と口内炎ができるのですが、なんとかなりませんか。 (36歳・女性)
A 口内炎は子供だけでなく、大人もよく悩まされる症状です。口内炎ができると、確かにものを食べにくかったり、しゃべりにくかったりで、口内炎があることが四六時中気になるものです。しかし口内炎ができやすい人は、たびたびできるものですね。
口内炎には実はいろいろな種類があって、アフタ性口内炎、カタル性口内炎、ウイルス性口内炎、ニコチン性口内炎などが挙げられますが、最も代表的なのがアフタ性口内炎です。
これは、口の中の粘膜に直径5㎜程度の灰白色斑(アフタ)ができるもので、痛みを伴い、約1週間ほどで治ります。
原因としては、偏食によるビタミンやミネラルの不足、疲労、ストレス、睡眠不足、口の粘膜を誤ってかんだり歯ブラシで傷つけたりする物理的刺激、ドライマウス、口腔内の不衛生などがあります。
西洋医学では、治療としてステロイド系の軟膏を塗る、ビタミン剤を服用させる、レーザーで焼くなどの方法がとられます。
さて、漢方の世界では、いつもお話しする通り、口内炎専用の漢方薬というのはありません。
口内炎を患っている場合によく使う漢方薬というのはありますが、第一にはその人の体質に合った漢方薬を用いること。その結果、全身の体調がととのい、口内炎も良化するのです。
では、口内炎によく使われる代表的な漢方薬を紹介しましょう。
- 三黄瀉心湯(さんおうしゃしんとう)
体の丈夫な人で、症状が強く、のぼせや便秘の傾向のある場合に使用します - 黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
やはり同じように症状が強く、便秘のない人に適していて、出血傾向にも使用します - 甘草瀉心湯(かんぞうしゃしんとう)
胃腸の弱い人にはこの漢方薬がよく、口内炎を繰り返す人がこの漢方薬を長期間服用することで改善傾向がよくみられます - 温清飲(うんせいいん)
長引く口内炎や、皮膚が乾燥している人に用います
漢方薬の口内炎に対する効果は、症状の状態や年齢、体質など、人それぞれで違いますから一概には言えませんが、上手に使っていけば普通は3~7日で良い感じがつかめるでしょう。
また、長引いても半月以上効果が見られないことはまれです。ぜひ一度お試しください。