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排石を促す薬、尿路の熱や腫れをとる薬、痛みを和らげる薬など、
さまざまな漢方薬があります


梅雨の時季から、ニュースで毎日のように災害級の暑さに対する注意喚起が報道されています。

気温が高くなると、それに比例して発症が多くなる病気の一つに、尿路結石があります。

尿中のシュウ酸カルシウム、リン酸カルシウム、尿酸などの成分が結晶化したもので、結石が体のどの部分にあるかによって、腎臓結石、尿管結石、膀胱結石、尿道結石と分類されます。

夏は体内の水分が汗で出て行くので尿が濃くなり、結石ができやすくなります。
そのため、予防として継続的な水分摂取が推奨されており、猛暑であれば、なおさらのこと注意が必要です。

結石ができる原因はまだよく分かっていませんが、要因としては遺伝、生活習慣による影響が大きいとされています。

結石の大きさは砂粒程度から小石くらいまでとさまざまで、1個のこともあれば多数のこともあります。
代表的な症状は、激しい痛みです。大きな石であれば、のたうち回るほどの痛みがあり、私の知り合いは痛みで気絶してしまったそうです。ほかにも、排尿痛、頻尿、血尿など尿に関する症状もみられます。

西洋医学では、結石が小さい場合は自然に排出を促しますが、大きければ石にピンポイントで焦点を合わせ、外から石を衝撃波で砕いたり、内視鏡を挿入して結石を破砕・除去したりします。

西洋医学が日本に入ってくる前はもちろんですが、現在ほど処置が簡単にできる前は、漢方薬で結石の症状に対応することが少なくありませんでした。

代表的な漢方薬として猪苓湯(ちょれいとう)があります。体力が中程度で、のどが渇き、尿量減少の症状がある人に排石を目的に使います。

また、五淋散(ごりんさん)は尿路の熱や腫れをとり、痛みを和らげて、尿の出をよくします。

強い痛みには芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう)という、芍薬と甘草の二つの生薬で構成される漢方薬が用いられることもあります。

結石の治療に漢方で対応することもできますが、現在では痛みがひどい場合は無理せず西洋医学で対応し、処置後の再発予防のために漢方薬や民間療法の薬草を試してみてもよいでしょう。

石ができやすい体質の人は、処置をして今ある石を取り除いても繰り返すことが多いようです。
結石の再発率の高さは食生活の欧米化が大きく影響していると考えられているため、食事を含む生活習慣に気を付けながら、自分に適した対応を見つけていきましょう。