身近な病気の多くは、西洋薬で一時抑えをしている間に、自然治癒力が働いて治ります。ですから、一時抑えの効果で症状が治まれば病気が完治したと勘違いしやすいのです。
漢方薬に求められる効果は、自然治癒力を高めて治すことです。
治りにくい病気になった状態を、学校の試験に例えてみましょう。ある科目(病気)の試験を毎日受けているものと仮定します。そして合格点をとるだけの実力が身に付いていない(病気が治らない)とします。
もし、その試験でカンニング(一時抑え)が許されているとしたらどうでしょうか。教科書や参考書などを持ち込んで少しでも良い点をとろうとするでしょう。カンニングは、症状を一時的に抑える西洋薬の効き目に似ています。
しかし、カンニングだけで合格点がとれないような試験(西洋薬で一時抑えをしている間に治る病気)ばかりではありません。例えば、毎月の生理痛がひどくて鎮痛剤で抑えていても、体質は変わっていないので毎月繰り返すことになります。
根本的に治すためには、塾や家庭教師などで実力を高める必要があります。実力を高めることは漢方薬が自然治癒力を強めることと似ています。
十分に実力がつけば、何にも頼らず合格点がとれるようになるのです。
西洋薬の一時抑えは素晴らしいものですが、それを治す効果だと取り違えないようにしたいものです。