漢方薬を試したいと相談に来られる人は、既に西洋薬を利用している場合がほとんどです。
中には、漢方薬と西洋薬を併用してはいけないと思われている人も多いようです。
基本的には、漢方薬と西洋薬は併用できます。
それぞれ効き方に長所と短所があるので、互いの長所を生かし、短所を補うために併用した方が良い結果が得られることも少なくありません。
体全体を整え、不調が出にくい状態にする漢方に対し、西洋医学は症状を一時的に抑えることが得意です。
西洋薬と比較して、漢方薬は一時抑えの力は弱いことが多いのですが、その部分を西洋薬で補えばよいのです。
漢方薬を始めたからといって、それまで使用していた西洋薬を急に止めてしまうと〝抑え〞がなくなり状態が悪くなることも。
西洋薬で症状が少しでも落ち着いているのなら、そのまま続けた方がよいでしょう。
例えば、花粉症であれば鼻水や目のかゆみを、また、アトピー性皮膚炎のような皮膚の症状であればかゆみなどを、西洋薬で一時的に抑えながら、漢方薬で症状が出にくい状態にしていけばよいのです。
徐々に西洋薬の出番が減り、漢方薬のみで対応できるようになり、最終的には漢方薬がなくても良い状態を保てるようになるでしょう。
両者を併用するときは注意すべきこともあるので、専門家に相談して上手に利用しましょう