アレルギーの病気~ 漢方を試してみたい病気 ~
最近は日本人の約3割もの人が何らかのアレルギーに関係があるといわれています。
花粉症で有名なアレルギー性鼻炎、以前は子供の病気と思われていたアトピー性皮膚炎や苦しい気管支ぜん息など、今では性別・年齢を問わず、誰にアレルギーの病気が出ても不思議ではなくなっています。
環境汚染や生活様式の急速な変化などの影響が、様々なアレルギー病を増加させたのでしょう。
場合によっては、西洋薬で症状を抑えながら漢方薬で治していくとよいのです。
漢方薬を併用すると、西洋薬の必要性が徐々に減り、漢方薬だけでも症状が改善されるようになっていきます。
最終的には漢方薬もいらなくなり、アレルギーが治ってしまうのです。
※漢方薬を紹介する場合は、一般的に入手しやすい範囲のものに限りました。
アレルギーとは
私達の身体には免疫という働きがあり、細菌やウィルスなど身体に害を及ぼすものを退治するために抗体をつくります。抗体が外敵の抗原と戦って身体を守るのです。
ところが、何らかの原因で身体に害がないものにも免疫反応をおこすことがあります。
本来は反応しない異物に対して、免疫が過剰な反応をするときに、アレルギーという病気となるのです。
アレルギー反応をおこす抗原はアレルゲンともいわれ、ハウスダスト(家のホコリ)やダニ、卵、牛乳、、大豆、繊維、花粉などのほか多くのものがあります。
いったん異物と判断されると、その物質が侵入するたびに反応して、鼻、目、皮膚などにさまざまな症状をおこすのです。
主なアレルギーの病気
アレルギーが関係しておこる病気は多く、一時的な“かぶれ”のような簡単なものから、国が指定する難病までさまざまですが、現代の多くの人が悩んでいるものに次のような病気があります。
アレルギー性結膜炎 | 眼の粘膜に炎症をおこし、充血、異物感、痛みなどの症状がでます。 |
アレルギー性鼻炎 | ホコリ、ダニ、ペット、花粉などが原因でくしゃみ、鼻水、鼻づまりがおこります。 花粉が原因でおこるものを花粉症といいます。 |
アレルギー性気管支炎 | アレルギーの機序によっておこる頑固な咳です。 |
気管支ぜん息 | アレルギーによる発作性の呼吸困難です。 ダニ、カビ、羽毛、花粉などがおもな原因です。 |
じんま疹 | 皮膚や唇に激しいかゆみがおこり、蚊にさされたような発疹ができます。皮膚が盛り上ることもあります。 |
接触性皮膚炎 | 染料・金属・薬剤などが皮膚に接触して炎症をおこすことです。 漆かぶれなどがあります。 |
アトピー性皮膚炎 | 皮膚の乾燥と刺激に弱い人におこり、全身に赤みをおびる、カサカサと白くなる、ポツポツができる、かゆいなどの症状がおこります。 |
アレルギー性胃腸炎 | 胃腸症状がアレルギーによるもので、食事が原因のことが多い病気です。 |
アレルギーの病気によくつかわれる漢方薬
漢方薬は体質と症状に合わせて用います。
多くの場合は1~2週間から、長くても1~2ヶ月もあれば効果の判定ができますが、体質改善を目的に使う場合は、2~3ヶ月以上の期間が必要になります。
参考までにアレルギー病によく使われる代表的な漢方薬の一部を紹介します。
実際には多くの処方の中から、本人に最もよく適応するものを選ぶことが大切です。
詳しいことは寿元堂薬局または、専門の医師・薬剤師によく相談してください。
小青竜湯しょうせいりゅうとう | 花粉症などアレルギー性鼻炎で、くしゃみを頻発したり、 水のような鼻水が多く出るときに使います。 感冒や気管支ぜん息などにも効果があります。 |
清鼻湯せいびとう | 肩こり、 鼻づまり、鼻水が粘って出にくい、頭重、記憶力の減退などのあり、胃が弱くない人に用います。 |
十味敗毒湯じゅうみはいどくとう | 化膿傾向のある皮膚炎に広範囲に使用されます。 また、 アレルギー性の湿疹やじんま疹をおこしやすい人の体質 改善薬としてもよく使われます。 |
消風散しょうふうさん | 熱感があり、かゆみが強いアトピー性皮膚炎などに使います。 分泌物が多いが、逆に乾燥することもあります。 |