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漢方は非科学的?~ 漢方あれこれ ~

漢方は科学的な根拠があいまいだから信用できないという人がいます。

西洋医学は科学の積み重ねですが、漢方は経験によって発達してきました。
もちろん漢方の理論はありますが、科学的という視点では軽んじられてしまいます。

自動車の運転にたとえてみましょう。

西洋医学が、エンジンや車体など内部の構造を詳しく調べてから運転をはじめるとすれば、漢方は運転するための方法を学んで経験を積んでいくだけです。

大切なのは、上手に運転ができるようになることです。

同様に、薬を使用するのに最も大切なことは、上手に使って病気を治すことであり、根拠の解明は研究者の役割だと思うのです。

科学的に説明できない漢方薬の効果

漢方は自然の中で人間を全体的にとらえ、心身の変調を整えることによって、病気や症状を治してきました。

西洋医学は、病気を局所的にとらえ、人間の体を細分化して分析し、科学的に病気の原因を追及します。そして、見つかった原因に対する治療法を模索してきました。

このように、漢方薬と西洋薬は根本的に異なる過程を経て発達したものです。

しかし、現代は西洋医学が中心の世界ですから、薬を含めて、あらゆる医療に西洋医学的な考え方をあてはめようとしています。

そして、純粋な化学物質である西洋薬の作用は研究がしやすいのですが、漢方薬には多くの生薬が配合され、その生薬一つ一つの中にも多くの成分が含まれています。

このように複雑な混合物の研究は、現在の科学をもってしても困難を極めており、漢方薬の効果を西洋医学的な考え方で説明することは未だにできないのです。

漢方は解剖学が重要ではなかった

紀元前3世紀に、エジプトのアレキサンドリアで世界初の人体解剖が行われました。
そして、16世紀になってレオナルド・ダ・ヴィンチが解剖図を著してから近代解剖学がはじまり、西洋医学は分析的な方向に発達し、解剖学も大いに役立つようになりました。

ですから、西洋医学には解剖学や細菌学などが発達する必要があったのです。

漢方のふるさとである中国でも、西暦16年に人体解剖が行われました。
しかし、中国医学は人間を自然の中でとらえるという方法論で効果をあげてきました。
中国医学や漢方では、人体の局所を探る解剖学などは、治療に大きな必要性がなく進歩しなかったのです。

今でも、西洋医学の分析的な手法に頼りすぎると、漢方の効果が出にくいことがあります。