漢方薬の副作用~ 漢方あれこれ ~
副作用がないことを特徴としていた漢方薬に副作用があるということが、かつて大きな問題になったことがあります。
以前より漢方薬の副作用について注意を促してきた私としては留飲を下げる思いがしましたが、今度は逆に漢方薬は副作用があるから恐いなどととんでもない思い込みをする人が増えてきました。
では漢方薬の副作用の実際はどうなのでしょうか。
副作用というのは必要な医薬品を服用したときに出る余分な不都合な作用のことをいいます。
漢方の長い歴史の中で、重篤な副作用を起こす漢方薬は淘汰され、副作用の出にくい効果的な薬の使い方が現在に伝わっています。
そのため、漢方薬を適切に使用すれば副作用の問題はほとんどありません。
もちろんまれには特殊なアレルギーなどで予測ができない副作用が出ることはあるかもしれません。
しかし、“漢方薬の副作用”といわれるもののほとんどは、誤用による悪い結果のことのようです。
平たく言うと漢方薬の副作用の多くは、刃物をもてあそんでケガをして、それを刃物のせいにして副作用というようなものなのです。
「風邪には葛根湯」など、この病気だからあの漢方薬を・・・などと、病名だけで安易に漢方薬を選ぶのではなく、その時の体質と症状などをよく観察して、状態に適する漢方薬を適切に使えば、副作用の心配は少ないといってよいでしょう。