便秘で下剤を使っている人は少なくないでしょう。
漢方薬にも潤腸湯(じゅんちょうとう)や麻子仁丸料(ましにんがんりょう)など便秘に使用されるものが幾つもあり、それらの漢方薬の中には、大黄(だいおう)という瀉下(しゃげ)作用を持つ生薬(しょうやく)が含まれるものがあります。
大黄はタデ科の多年草、ダイオウ類の根茎を使用し、大腸壁を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を活発にすることで排便を促します。
効果の強さから〝将軍〟の別名を持ち、中国最古の薬草書「神農本草経(しんのうほんぞうきょう)」やインド、欧州の古書にも記載され、下剤として古くから使われていたようです。
多くの場合、大黄は数種類の生薬と配合されます。
潤腸湯は9種類、麻子仁丸料は5種類の生薬が大黄以外に配合され、大黄単独での使用に比べて穏やかな効き方をします。
下剤は癖になりやすいので、繰り返し使用するにはこの穏やかな効き方が喜ばれます。
一時の便秘なら漢方薬を含めた一般的な下剤で対処できるでしょう。
しかし、慢性化した場合、一時しのぎの下剤ではなく、怠け者の腸を元気にしていく漢方薬が重宝されますが、働き者の腸に戻り、下剤が不要になるまでにはどうしても時間がかかってしまいます。
「下剤の成分が含まれているので癖になるから」とかたくなに拒む人がいます。
下剤が必需品になっている人は、一度専門家に相談してはいかがでしょうか。