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リビング 寿元堂薬局の漢方よもやま話

この時期気になる〝気象病〟

例年よりも早く沖縄が梅雨入りし、湿気も増してきました。

湿気が多い時期、めまい、関節痛、胃腸の不調などの症状に悩まされる人は少なくありません。

気象の影響によって発症したり、症状が悪化したりするものは「気象病」と呼ばれています。

「梅雨時期に古傷が痛む」「雨の日は頭が痛くなる」などの症状が当てはまり、最近では西洋医学で「気象病外来」が登場して話題になりました。

一方、漢方では湿気に中(あた)ることで病むことを「中湿(ちゅうしつ)」といいます。

古い医学書の目次の項目の一つにも挙げられており、中湿に対する先人の知恵と経験を知ることができます。

中湿の症状を改善する漢方薬の代表的なものを紹介しましょう。

二陳湯(にちんとう)は、嘔吐(おうと)やめまい、動悸(どうき)などに用いられることが多い漢方薬で、体内の水の偏りを調整する多くの薬の基となる処方です。

五苓散(ごれいさん)は、嘔吐や下痢などの胃腸の不調に用いられる漢方薬です。尿量が少なく、口渇のある人に適することが多い薬です。

防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)は、変形性膝関節症、多汗症などに用いられる漢方薬です。
疲れやすく、下半身がむくみやすい人に適することが多い薬です。

中湿といっても、症状の出方は人それぞれです。漢方薬は、専門家に相談して適したものを選びましょう。