暑い日が続くと夏目前を感じます。汗をかきやすくなり、皮膚に症状を持つ人にはつらい季節の到来でもあります。
皮膚の疾患に利用される多くの漢方薬の中に、消風散(しょうふうさん)と温清飲(うんせいいん)があります。
消風散は1617年に著された中国の医学書「外科正宗」に記載されています。
かゆみが強い、分泌物が多くかさぶたになっている、口渇がある、地肌に赤みがある、夏に悪化しやすい皮膚の疾患に利用されます。
一方、温清飲は明の時代の医学書「万病回春」に記載されていて、かゆみが強い、分泌物は少なく乾燥している、のぼせやすい、冬に悪化しやすい症状に利用されます。
しかし、かゆみが強く乾燥していて、冬に悪化しやすい人に消風散が効果的なことがあるなど、実際には区別できる場合ばかりではないのです。
ちなみに、温清飲はもともと崩漏(ほうろう・子宮からの出血過多)に利用されていましたが、いつの頃からか皮膚症状にも利用され、皮膚の漢方薬としても認識されるようになりました。
じんましんやアトピー性皮膚炎などは、数十年前なら西洋医学で症状を抑えている間に自然に治るものが多くありました。
しかし、今では西洋医学だけでは改善しにくい頑固な症状が増えています。
漢方薬を併用することで改善が見られることは多いものです。
一度専門家に相談してみてはいかがでしょうか。