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リビング 寿元堂薬局の漢方よもやま話

異なる煎じ方で真逆の効果!

漢方薬の原料は、植物由来のものが大半です。

しかし、民間療法(家庭薬)で使用される薬草は、ごくわずかな種類を除いて漢方薬には含まれません。

民間療法では、ゲンノショウコ、センブリ、ドクダミが日本の3大薬草として有名です。

その中の一つであるゲンノショウコは道端でよく見られる植物ですが、昔から下痢止めの薬草として用いられてきました。
「飲めばたちまち効く」ことから、「現の証拠」と呼ばれるようになったそうです。

また、ゲンノショウコは下痢だけでなく便秘にも用いられてきましたが、目的によって異なる煎じ方をする変わった薬草です。

下痢止めとして使用する場合は、含まれているタンニンをより抽出するために長時間煮詰めたものを服用します。

一方で、便秘で使用する時には、タンニンではなくフラボノイドの成分によって便秘を解消するため短い時間で煎じたものを服用します。

同じ薬草を異なる時間で煎じると、真逆の症状の改善に働くとは不思議なものです。

また、その効果の違いを経験として知っていた先人たちの智恵にも驚かされます。

一時的な症状であれば民間薬草で事足りるかもしれませんが、長年悩んでいるものや症状がひどい場合には、きちんとした漢方薬や西洋薬で対応するのがよいでしょう。