膝の痛みを放置してしまうと重症化する恐れあり
漢方薬もあるので一度試してみては
今年は長く続く残暑が予想されていますが、朝晩の暑さは少しだけ和らいだような気がします。酷暑により外出を控えていた人たちが、少しずつ旅行の計画を立て始めているようです。
旅行する際に困る症状で多い悩みとして、排尿の悩み、足腰の痛み、疲れやすい体質などが挙げられるでしょう。どれも慢性的な症状になれば日常生活に支障を来すものばかりですが、足腰の痛みに悩んでいる人は多いものです。
特に50代以降の女性に多い変形性膝関節症で膝を痛めている場合は、ちょっとした動作でも膝に違和感や痛みを感じるケースがあり、歩くことが多い旅行には二の足を踏むようになります。
平成20年に行われた厚生労働省の調査では、膝関節症の自覚症状がある人は約1000万人、潜在的な患者は約3000万人と推定されています。現在は超高齢社会ですから、悩んでいる人がもっと増えているかもしれません。
膝の痛みを感じる人の多くは、薬を飲むほどではないと、症状を見て見ぬふりをする人が少なくないように思います。
しかし、この病気は重症化すると関節の変形、腰痛の悪化などにつながりやすく、運動器の障害のために立つ、歩くなどの身体能力が低下した状態を指すロコモティブシンドロームのリスクが高まるといわれています。
健康寿命を延ばすことは、誰もが願うこと。
症状が悪化してしまう前に対処したいものです。
変形性膝関節症に対する西洋医学の治療は、飲み薬や、鎮痛剤やステロイドの注射などがありますが、根本治療ではありません。
それらで対処できている間はよいのですが、内服や注射でも痛みが改善しないほど悪化した場合には、根本治療として人工関節を入れるような大きな手術が必要なこともあります。
さて、膝の痛みは漢方薬が使われることが多い症状の一つです。
「正座ができないほどの症状が軽くなった」「膝の水がたまりにくくなった」「歩行できる距離が延びた」など過去に喜んでいただけた例は多くあります。
膝の痛みによく用いられる漢方薬には、麻杏薏甘湯(まきょうよくかんとう)、越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)などの他、多くの薬を、体質と症状によって使い分けます。
そして、顆粒や錠剤の漢方薬よりも、漢方本来の煎じ薬の効果を喜んでもらえることが多いものです。
膝の症状で悩んでいる人は、漢方薬を一度は試してもよいかもしれません。