「漢方薬は長く飲まないと効果が出ない」と思われていることが少なくありません。
今は西洋医学で治りにくい難しい病気の人が漢方を頼ることが多く、効果が表れるまでにある程度の期間がかかっても当然でしょう。
しかし、一般的に考えられているよりも意外なほど早く効果が表れる場合も多いものです。
長年患っている慢性病でも、漢方薬を飲んだ翌日から効果が出てびっくりすることもあります。
今回は、漢方薬を飲み始めてから効果が表れるまでの期間の目安を紹介しましょう。
風邪のような急性病の場合、即効性のある漢方薬が当然必要とされます。通常1〜2日程度で効果が表れることが多いものです。
アトピー性皮膚炎や四肢のしびれ・痛みなどの慢性病の場合は、2週間〜1カ月程度で効果がみられることが多いでしょう。しかし、長年経過して症状をこじらせてしまっている場合や効果の表れにくい場合などは、2〜3カ月続けてみることをお勧めします。
虚弱体質や冷え症など、体質改善を目的とするときにも、慢性病の場合と同様に考えればよいでしょう。
月経痛や月経不順などのように月経が関係する婦人病の場合は、飲み始めて少なくとも3回程度の生理の状態を観察して様子をみれば、効果を実感できる場合も多いものです。
潰瘍性大腸炎などの国が指定する難病でも漢方薬が効果を発揮することがあります。効果が分かりにくいことも多いため、最低でも2〜3カ月は服用した方がよいでしょう。
季節特有の花粉症の症状であれば、花粉の飛散シーズンに入る1〜2カ月前から漢方薬を飲み始め、昨年の様子と比較するのも一つの方法です。
病気も薬も多彩です。
西洋薬という大きな枠組みでは一概に効果の出る期間の目安を決めることができないのと同様に、漢方も一人一人の状態によって効果の出方の目安は異なります。
漢方の専門家に相談しながら、上手に漢方薬を利用しましょう。