四十肩や五十肩に漢方薬?
葛根湯は五十肩や肩凝りなど肩回りの症状にも奏功。ほかにも二朮湯や桂枝加朮附湯などの薬があります
暦の上では立春ですが、まだまだ寒い日が続きます。
オミクロン株が猛威を振るう中、外出は減っているかもしれませんが、冷えで起きる不調には注意したいものです。
気温が下がる冬場にかけて発症することも多い四十肩・五十肩(肩関節周囲炎)。
40代で起こった場合は四十肩と呼びますが、50代で発症することが多い症状です。突然起こる肩の痛みで、腕を動かせなくなることもあります。
痛みが強い急性期には、夜中に起きてしまうほどの激しい「夜間痛」も、特徴として挙げられます。
緊張からくる血行不良などによる肩凝りとは異なり、癒着や炎症を伴います。
なぜ癒着や炎症が起きるのか、はっきりした理由は分かっていませんが、肩関節を構成する部分が加齢などで変性することなどが要因の一つと考えられています。
自然に治ることもありますが、そのままにしておくと癒着で関節が固まり、可動域が狭まって、日常生活が不自由になったり、関節が動きにくくなったりすることもあります。
西洋医学だと鎮痛剤やステロイドなどで対応しますが、このような炎症や外傷の症状に漢方薬が奏功することは意外に多いものです。
葛根湯(かっこんとう)は、風邪のひき始めの症状によく用いられることで有名ですが、五十肩や肩凝りなどの肩周りの症状に使われることも少なくありません。体を温め、筋肉の緊張をほぐすとされています。
葛根湯に独活(どっかつ)と地黄(じおう)を加えた独活葛根湯も、関節の痛みによく用いられます。
葛根湯に含まれる麻黄(まおう)が胃にこたえやすいので、両者とも胃腸が弱い人が服用する時は注意が必要です。
胃腸が強くない場合は、二朮湯(にじゅつとう)という薬もあります。むくみやすく肥満傾向にあり、胃腸があまり強くない人に適することが多い薬です。
冷えが強い場合には、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)という薬を試すこともあります。
関節炎や神経痛などによく用いられる薬で、体力があまりなく、冷えがあり、尿の出があまりよくないような人によく用いられる薬です。