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葛根湯(かっこんとう)~ 漢方薬のいろいろ ~

内容(単位/g)葛根8.0 麻黄4.0 桂皮3.0 芍薬3.0 甘草2.0 生姜1.0 大棗4.0
適応感冒 肺炎 麻疹 脳炎 扁桃腺炎 中耳炎 腰痛 肩こり 五十肩
トラコーマ 結膜炎 急性、慢性副鼻腔炎 顔面神経痛
顔面神経麻痺 皮膚炎 湿疹 じんましん 面疔 筋炎 大腸炎
出典傷寒論(しょうかんろん)
国・時代中国・後漢
参考文献黙堂柴田良治処方集
葛根湯の1日分

中国の後漢の時代に編纂された処方集「傷寒論(しょうかんろん)」には、急性の熱病の初期で、さむけが強く、首すじや肩、背中のこり、頭痛などの症状があり、汗が出なくて、食欲があるときには葛根湯を飲めばよいということが書かれています。

江戸時代には、どんな病気に対しても葛根湯を使うという葛根湯医者の落語ができた程ですし、明治時代にも「葛根湯を風邪などの肩こりに使うことは小さな子供でも知っている・・・」などと書かれた専門書があるくらい、有名な処方だったのでしょう。

今でもよく使われますが、葛根湯は風邪薬だと思っている人が多いようです。
しかし、もともと急性の熱性疾患の初期に使って効果のある薬なので、多くの病気に使用されます。

無熱性の雑病にも応用され、肩こり、神経痛、リウマチ、五十肩、鼻炎、蓄膿症、湿疹、じんま疹などにも使われます。

構成生薬

生薬名基源薬効
葛根(かっこん)マメ科クズの根発汗、解熱、鎮痙
麻黄(まおう)マオウ科マオウの全草発汗、鎮咳、去痰
桂皮(けいひ)クスノキ科ケイの樹皮健胃、鎮痛
芍薬(しゃくやく)キンポウゲ科シャクヤクの根収斂、緩和、鎮痛、鎮痙
甘草(かんぞう)マメ科ウラルカンゾウの根鎮痛、緩和
生姜(しょうきょう)ショウガ科ショウガの根茎健胃、矯味、食欲増進
大棗(たいそう)クロウメモドキ科ナツメの果実緩和、強壮、利尿