1957年に東京大学の教授によって調査された日本人の平均体温は、36、89度でした。
その後、2008年にある民間企業で行われた調査によると、成人した日本人の平熱は36、14度だといいます。寿元堂に相談に来られる方でも、平熱が35度台で、冷えを感じている方が以前よりもずいぶん増えています。
そして病気や体調の不調で悩んでおり、体全体あるいは一部に冷えを感じている人は、男女ともに多く、冷えると悪化する病気や症状で悩んでいる人も多いのです。また、本人は冷えを自覚していない冷え症の人も少なくありません。
そもそも農耕民族である日本人は、あまり生ものを食してきませんでした。日本人の体は熱エネルギーを産生する能力が低く、外界や摂取した食物による影響を受けやすい体質になっています。
一方、狩猟民族である西洋人は、肉食を主として、果物や野菜を日常的に生のまま食してきました。彼らは熱エネルギーを産生する能力が高いといわれています。
このように、民族によって体の代謝の状態が異なるようです。
現在、日本では「食の欧米化」が定着しているばかりでなく、薄着の一般化や、夏はもちろん冬にまでアイスクリームやジュースなど冷たいものを過度に摂取しています。このような環境では、男女を問わず「冷え症の人を大量生産している」と言っても過言ではないでしょう。
今一度、私たちの体質に合った昔ながらの日本の家庭料理を見直してみてはいかがでしょうか。