立春を過ぎても厳しい寒さが続いていますが、これからの時季、お肌の乾燥が気になるという人も多いのでは?
潤いを補うさまざまな漢方薬の基本となる薬の一つに四物湯(しもつとう)があります。
四物湯は当帰(とうき)、芍薬(しゃくやく)、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)の4種類の生薬(しょうやく)で構成され、当帰、地黄は造血・鎮静・滋潤などの効果があり、芍薬、川芎は血のめぐりをよくし、余分な熱を冷ますものとされています。
貧血傾向で皮膚が乾燥し、色艶のよくない人の諸症状に用いる薬です。
四物湯が基になる処方をいくつか紹介します。
四物湯が適する人で、気力がない虚弱な人に用いる漢方薬には、四物湯と気力を補う四君子湯(しくんしとう)を合わせた八物湯(はちもつとう)があります。さらに虚弱な人には、黄耆(おうぎ)、桂枝(けいし)を加えた十全大補湯(じゅうぜんたいほとう)がよいでしょう。
また、アトピー性皮膚炎や慢性じんましんなどで肌に熱感があり乾燥している人には、肌を潤す四物湯と、熱を冷ます効能のある黄連解毒湯(おうれんげどくとう)を組み合わせた温清飲(うんせいいん)を用いる場合があります。
このように、漢方薬は1つの処方からいろいろな処方が生まれます。
生薬の組み合わせは無限にあり、今後も新しい処方が生まれるかもしれません。