主婦湿疹になりました
Q 最近、いつもと違う強めの台所洗剤を使っていたところ、主婦湿疹になりました。ハンドクリームや軟膏を塗ってもなかなか治りません。 (37歳・女性)
A 台所仕事や洗濯、掃除など、水仕事をすることが多い主婦に発症が多く見られるため、「主婦湿疹」の名前がよく使われますが、正式名は「進行性指掌角皮症(しんこうせいししょうかくひしょう)」です。手に発症することが多いことから「手湿疹」とも呼ばれます。
実際には、女性だけでなく、理容師などの水仕事が多い男性にも見られます。また、ひどくなると手の甲や背中にまで広がることがあります。
原因は、合成洗剤や水、湯を使うことで、皮脂が奪われ、さらには角質がはがれて皮膚のバリア機能が失われ、刺激物が進入しやすくなることです。
主婦湿疹には、乾燥型と湿潤型があり、乾燥型では、カサカサして皮膚が厚くなり、手の指紋が消える場合もあります。湿潤型では、赤い発疹や水ぶくれができます。乾燥型と湿潤型が混合しているケースもあります。
主婦湿疹は、冬に生じやすく、いったん発症すると、次の刺激物が進入してなかなか治らないという特徴があります。
生活習慣の上で改善できる方法としては、水仕事の際に手袋をする、合成台所洗剤・シャンプーを石けん洗剤・シャンプーに変える、ハンドクリームを塗る、などです。
また、皮膚科では、保湿のためのワセリンや軟膏、抗炎症のためのステロイド系外用薬などが処方されます。
なかなか治らない主婦湿疹ですが、漢方薬を少し長めに飲んでみると、奏功が期待できます。
主婦湿疹によく利用される漢方薬に、「加味逍遥散(かみしょうようさん)」があります。
主婦湿疹に限らず、月経不順、更年期障害などの女性に用いられることが多い漢方薬として有名ですが、だれにでもよいというわけではなく、虚弱体質で、頭痛や肩凝りがあり、午前中は貧血気味なのに午後になるとのぼせるような人、また種々の不定愁訴があり、気分のむらがある人に使うと、奏功するケースがよくあります。
その他の漢方薬も見てみましょう。
- 温経湯(うんけいとう) 冷え性で、膨満感があり、唇が乾く人に
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 体格がしっかりして、月経痛を伴うが水毒が少ない人に
- 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 青白く、やせ型、冷え性で、瘀血と水毒を伴う人に
1、2カ月服用して様子を見るといいでしょう。適切な漢方薬を服用できていれば、かなりきれいになっているはずです。