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さりお 寿元堂薬局の漢方よもやま話

のぼせと漢方薬

緊張して顔が紅潮したり、入浴後に頭や顔が熱くなったり、発熱した時に頭がぼーっとしたり、私たちは日常生活の中でのぼせを感じることがあります。

また、更年期症状や自律神経失調症、高血圧、甲状腺機能亢(こう)進症などが原因で、のぼせを感じることもあります。

上半身が熱をもった状態であるのぼせは暑い季節に感じやすい人が多いようです。

しかし、冷え込みが強くなるこの時季にも悩まれる人が少なくありません。 

室外は寒く、室内は暖房が効いて暖かいと、外気との温度差でのぼせを感じてしまうのです。

のぼせは、更年期症状の一つとして悩む女性が多いのですが、そのような時に使われることが多い漢方薬では、加味逍遥散(かみしょうようさん)がよく知られています。 

しかし、のぼせを感じるからといって、必ず加味逍遙散が適するというわけではありません。

加味逍遙散は、疲れを感じやすく、頭痛や肩凝り、精神不安やいら立ち、月経異常などがある虚弱な女性に適することが多い薬です。

漢方薬本来の効果を得るためには、のぼせ以外の体質や症状も含めて考える必要があるでしょう。

加味逍遙散のほかにも、柴胡桂枝乾姜湯(さいこけいしかんきょうとう)、黄連解毒湯(おうれんげどくとう)など、のぼせに対して昔から多くの漢方薬が使われてきました。

体質や症状に適するものを選んで、上手に利用しましょう。