本格的な春の訪れとともに、ようやく過ごしやすい季節になってきました。その一方で、花粉症に悩まされる方には、つらい時季でもあります。
花粉症はアレルギー性疾患の一種。「スギ花粉症を含むアレルギー性鼻炎は、国民の40%以上が罹患していると考えられ、今後も増加することが予想される」(厚生労働省)との報告もあるほどです。
主な症状はアレルギー性鼻炎の3大症状であるくしゃみ、鼻水、鼻づまりです。
漢方では、これらの症状は、体内の水分代謝の変調が原因の一つだと考え、「水毒(すいどく)」や「水滞(すいたい)」などと表現します。漢方で「水(すい)」とは、血液以外のすべての体液を指すのです。
花粉症のような水毒の症状の改善に利用される代表的な漢方薬に小青竜湯(しょうせいりゅうとう)があります。
くしゃみが頻発し、透明な鼻水が流れ出るときによく利用します。冷たい空気を吸い込んだときなど、体内が冷えたときにひどくなる症状に効果的だともされています。
アレルギー性鼻炎の症状があり、首や肩凝りがひどければ、風邪薬として知られる葛根湯(かっこんとう)を利用することもあります。
「漢方薬は長期間服用しないと効果が出ない」とよく誤解されています。
しかし、意外と早く症状が改善されていくことも少なくありません。
漢方薬を一度試してみてはいかがでしょうか。