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さりお 寿元堂薬局の漢方よもやま話

痔に使う漢方薬

これからクリスマスや年末年始を迎え、イベントが多い時季。暴飲暴食になってしまいがちです。
そのような食生活の乱れは、時に便秘や下痢を引き起こす原因となり、痔(ぢ)の悪化へとつながりかねません。

痔は意外に身近な病気。日本人の3人に1人が経験していると言われています。

特に女性は便秘で悩んでいたり、妊娠や出産を機に痔になりやすかったりして男性よりも患いやすいようです。

痔の主なものには、痔核(いぼ痔)や裂肛(切れ痔)、痔瘻(じろう)の3種類があります。何度も繰り返し、完治が難しいことも少なくないようです。

痔の改善には、桃核承気湯(とうかくしょうきとう)、大黄牡丹皮湯(だいおうぼたんぴとう)、乙字湯(おつじとう)、当帰建中湯(とうきけんちゅうとう)などの漢方薬が用いられます。

便秘を伴う痔の場合は、便を柔らかくして排便による肛門付近の負担を軽減することが大切です。そのため、痔によく用いられる漢方薬には下剤を含んでいるものが少なくありません。ひどい下痢など不都合を感じた場合には、少し弱めの薬に変更した方がよいこともあるでしょう。

飲み薬のほかにも軟膏(こう)で対応する場合もあります。飲み薬が苦手な人は一度試してみてもよいかもしれません。

痔はデリケートな悩みのため、対応が遅れて悪化することもあるようです。早めの対処をするようにしましょう。