乙字湯(おつじとう)~ 漢方薬のいろいろ ~
内容(単位/g) | 柴胡5.0 黄芩3.0 升麻1.0 大黄1.0 甘草4.0 当帰6.0 |
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適応 | 潰瘍性大腸炎 痔疾 脱肛 陰門掻痒症 陰部湿疹 帯下 |
出典 | 原南陽(はらなんよう) |
国・時代 | 日本・江戸 |
参考文献 | 黙堂柴田良治処方集 |
日本の江戸時代、原南陽の経験方です。
原南陽は水戸侯の病気を治し、侍医に抜擢された名医です。
乙字湯はいろいろな痔の疾患に広く用いられます。
とくに痔核の疼痛、出血、肛門裂傷などによく、脱肛の初期症状のもの、婦人の陰部掻痒症などにも使用されます。
病状がそれほど激しくないものの一般的症状にも、よく用いられます。
また、慢性湿疹とそれに伴う神経症や潰瘍性大腸炎、帯下などにも応用されることがあります。
構成生薬
生薬名 | 基源 | 薬効 |
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柴胡(さいこ) | セリ科ミシマサイコの根 | 解熱 鎮痛 強壮 |
黄芩(おうごん) | シソ科コガネバナの根 | 消炎、解熱 |
升麻(しょうま) | キンポウゲ科サラシナショウマの根茎 | 発汗、解熱、解毒 |
大黄(だいおう) | タデ科のレウム属の根茎 | 消炎性瀉下、健胃 |
甘草(かんぞう) | マメ科ウラルカンゾウの根 | 鎮咳、去痰、鎮痛、緩和 |
当帰(とうき) | セリ科トウキの根 | 駆瘀血、鎮痛、鎮静、補血、強壮 |