関節リウマチは初期に治療を開始すれば予後が良い
初期で軽症なら漢方で症状が消えてしまうことも
今年は一年で最も寒い時季とされる大寒をとうに過ぎた2月末に最強寒波に襲われました。日本
全国で厳しい寒さを経験することとなり、倉敷でも連日雪がちらつく珍しい寒さでした。
寒さの影響を受けやすい症状で悩まれている人には、この寒さはこたえたことでしょう。
寒い日に思い出すことがあります。ある人が雪山に行ったときに雪崩に遭ってしまい、幸いにも一命はとりとめることができたものの、強く冷えたことが影響したためか関節リウマチを発症してしまったことです。
冷えることで必ずしも関節リウマチなどの病気を発症するわけではありませんが、冷えが大きな影響を与えることが多くあります。
関節リウマチは冷えると痛みの症状が悪化することが少なくありません。適切な漢方薬を用いて温めることで効果を得られるケースが多いものです。
さて、漢方では、関節が痛む症状の中で、体のあちこちの関節が痛む症状を「歴節(れきせつ)」と呼び、関節リウマチのように、まるで虎にかまれるように関節が強く痛む症状は「白虎風(びゃっこふう)」や「白虎歴節風」などともいわれます。
関節痛に用いられる漢方薬としては、葛根湯(かっこんとう)、桂枝加朮附湯(けいしかじゅつぶとう)、薏苡仁湯(よくいにんとう)、防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)など、実にさまざまな薬があります。
関節リウマチは初期に治療を開始すれば予後が良いことがわかってきました。
これは漢方でも当てはまり、当薬局の経験でも、初期または軽症の場合では症状が消えてしまったことが少なくありません。違和感を感じたら早めに対応した方がよいでしょう。
ただ、西洋医学だけに頼って、長い間良くならない、または悪くなった場合に、初めて漢方を試す人が多いことは残念に思います。
さて、関節リウマチは、膠原(こうげん)病の一つです。膠原病とは、自分の体を守るはずの免疫システムに異常が起こることで、自分自身の体を攻撃してしまう「自己免疫疾患」の病気の総称です。
関節リウマチのほか、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群などが挙げられます。
厚生労働省が難病に指定している病気などを含めて、発達した西洋医学でも対応が難しい病気にも、漢方が効果を上げるることがあります。
漢方でも根気が必要な場合がありますが、現在の治療と併用してもよいかもしれません。