喘息や寒暖差アレルギーの漢方
漢方では、病気の原因で薬を使い分けるのではなく症状と体質を目安に薬を選んでいきます
今年はぐっと冷え込む日が多く、1月は珍しく倉敷でも何日か雪が降っていました。一方で、昼間は暖かい日もあり、寒暖差がこたえる症状で悩んでいる人には辛い時季かもしれません。
寒暖差が悪い影響をあたえやすいものの一つに、気管支の症状があります。気管支喘息(ぜんそく)、咳(せき)喘息などは代表的なものですが、最近では寒暖差アレルギーによる症状も増えてきているようです。
気管支喘息は、空気の通り道である気管支が慢性的に炎症を起こしている状態です。気管支が狭くなるため、ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)が特徴で、咳や痰(たん)、息苦しさなどの症状が出ます。
咳喘息は、喘鳴はありませんが、咳が長引く病気です。風邪を引いた後に2〜4週間ほど咳が治まらない場合は、咳喘息ということもあります。あまり痰がからまない空咳が多く、喘息の前段階といわれているため注意が必要です。
どちらの病気も気管支が過敏になっており、寒暖差のほかにも、ハウスダストや花粉、黄砂、天候などによる刺激で症状が出ます。
寒暖差アレルギーは、くしゃみや鼻炎、咳など一見すると風邪のような症状ですが、発熱はありません。刺激により一時的に発症した後しばらくすると治まります。
漢方では、寒暖差や花粉、ウイルスなど病気の原因で薬を使い分けることはありません。刺激で起こる症状や体質を目安に薬を選びます。
痰が切れにくく、顔を赤らめて咳き込むような症状には、麦門冬湯(ばくもんどうとう)が適することが多いようです。
粘性があり切れにくい痰が出て、咳が激しい場合は、清肺湯(せいはいとう)が適することが多くあります。
小青竜湯(しょうせいりゅうとう)は、ある程度体力があり、さらさらした鼻水が出て、くしゃみを伴うような症状によく用いられます。
同じような症状でも、虚弱な人には麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)が使われることが多いです。
季節の変わり目、室内外の寒暖差は、思っている以上に私たちの体には負担になっています。最近では寒暖差疲労外来を立ち上げているところもあるようです。
季節の変わり目に起こりやすい不都合な症状、花粉症などの特定の時期に困る症状に、漢方薬が奏功することは少なくありません。
毎年決まった季節に調子を崩される人は、一度漢方薬を試してみてもよいかもしれません。