人参当芍散(にんじんとうしゃくさん)~ 漢方薬のいろいろ ~
内容(単位/g) | 当帰4.0 芍薬3.0 川芎1.0 人参3.0 白朮3.0 茯苓4.0 桂枝2.0 甘草1.0 沢瀉3.0 |
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適応 | 貧血 子宮筋腫 潰瘍性大腸炎 不妊症 更年期障害 血の道症 |
出典 | 長倉音藏(ながくらおとぞう) |
国・時代 | 日本・昭和 |
参考文献 | 黙堂柴田良治処方集 |
人参当芍散は当帰芍薬散に高麗人参を加えるなど加減したものです。
身体を補う作用は当帰芍薬散よりも強く、虚弱傾向や冷え症の人に幅広く適応します。
比較的体力に乏しく、冷え症で貧血の傾向がある人に使います。
筋肉は軟弱で、疲労しやすく、腹痛、頭重、肩こり、めまい等などを訴えることが多いものです。
女性に使われることが多く、妊娠中の諸種の障害、例えば浮腫、習慣性流産、腹痛、膀胱炎、腰痛などをよく治し、妊娠中に持続して服用して、これらを予防する効果があります。
更年期障害、血の道症、月経不順、月経痛、不妊症その他に応用することが多いほか、低血圧メニエル症候群、慢性腎炎、ネフローゼ、脚気、凍傷などにも用いられます。
虚弱な傾向で冷え症の体質の人に使うことが多い薬です。
構成生薬
生薬名 | 基源 | 薬効 |
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当帰(とうき) | セリ科トウキの根 | 駆瘀血、鎮痛、鎮静、補血、強壮 |
芍薬(しゃくやく) | キンポウゲ科シャクヤクの根 | 収斂、緩和、鎮痛、鎮痙 |
川芎(せんきゅう) | セリ科センキュウの根茎 | 駆瘀血、補血、強壮、鎮静 |
人参(にんじん) | ウコギ科オタネニンジンの根 | 強壮、健胃、滋潤 |
白朮(びゃくじゅつ) | キク科オオバナオケラなどの根茎 | 利尿、健胃、整腸、止汗 |
茯苓(ぶくりょう) | サルノコシカケ科マツホドの菌核 | 利尿、健胃、鎮静 |
桂皮(けいひ) | クスノキ科ケイの樹皮 | 健胃、鎮痛 |
甘草(かんぞう) | マメ科ウラルカンゾウの根 | 鎮咳、去痰、鎮痛、緩和 |
沢瀉(たくしゃ) | オモダカ科サジオモダカの根茎 | 利尿、止渇、止瀉 |