体を温める食品としてすぐに思い浮かぶ一つとしてショウガがあり、実際に普段利用されている方も多いのではないでしょうか。
このショウガは漢方薬でよく使用される生薬(しょうやく)の一つです。
生薬には通常、ヒネショウガを使用します。そして、一般的には、加工の違いで生姜(しょうきょう)と乾姜(かんきょう)の2種類に区別され、使い分けられています。
- 生姜
生のヒネショウガを乾燥させたもの。体を温めたり健胃作用があるため、葛根湯(かっこんとう)など多くの漢方薬に配合されます。止嘔(しおう)作用もあり、小半夏加茯苓湯(しょうはんげかぶくりょうとう)など嘔吐を止める漢方薬にも配合され、利用されます。 - 乾姜
ヒネショウガの皮をはぎ、一度蒸してから乾燥させて全体が飴色になったもの。生姜よりも体を温める作用が強く、体内の水分の循環をよくする作用があるため、体の内側が冷えることによって起こるさまざまな症状に用いられます。水っぽい鼻水がよく出るようなときに用いる小青竜湯(しょうせいりゅうとう)や、消化不良や下痢のときに用いる半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)などに配合されます。
このように、同じ生薬でも加工によって効果が異なるものがあります。
漢方薬の効果を発揮させるため、現在でも昔ながらの方法で加工が行われているのです。