Q この4月で娘が中学3年生になります。中学に上がったころからニキビが増え、本人も気にしています。特に暖かくなる春ごろから悪化するようです。いろいろな治療を試してきましたが、今ひとつ良くなりません…。 (39歳・女性)
A ニキビは青春のシンボルともいわれますが、本人にとっては喜ばしいものではないでしょう。
特に学生さんは机に向かって勉強をしているときも気になってつい手で触り、悪化させてしまいますね。また、近ごろは思春期を過ぎた大人のニキビも増えていて、青春のシンボルとも呼べないようです。
化膿したニキビの跡が凹凸として残ったり、紫外線を浴びて色素沈着を起こしたりすることもあるので、ニキビはなるべくつくらないようにしたいものです。
それにはまず日常生活から。睡眠を十分とって、食の乱れを正し、食物繊維もたくさんとって便秘を改善すること。洗顔をして肌を清潔に保つことも大切です。女性はお化粧についても注意してください。
これらの生活習慣を改善することで、かなりニキビを減らすことが期待できると思います。
それでも、元々胃腸が弱い、皮脂が多い、ホルモンバランスが悪いなど、体質も関係しているので、100%とはいかないでしょう。
漢方では、「木を見て森を見ず」のような治療に当たるのではなくて、全身の状態を見て改善を図ります。
従って女性の場合はニキビを治すために漢方薬を服用したところ、月経不順、冷え性、便秘なども緩和したという話がよくあります。
では、実際の漢方処方がどんなものか、見ていきましょう。
- 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)
比較的頑強な体質で赤ら顔の人に。のぼせ感、頭重感、肩凝り、下腹部の腹満感、足の冷えを訴えることもある - 当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血色が悪く、やや乾燥気味で、たるんだ肌に。やせ型の冷え性で厚着をするタイプのことが多い - 十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)
化膿傾向の強い人に用いる - 桃核承気湯(とうかくしょうきとう)
便秘傾向で、瘀血(おけつ)がある場合に用いる。舌や唇、爪も暗褐色を呈し、体力は充実している人に
服用を始めて1~3カ月程度で改善が見られることが多く、逆に改善されないようなら、ほかの漢方薬に変えてみることも必要でしょう。
簡便な錠剤や顆粒剤よりも、生薬を煮出して飲むのが効果的です。手間はかかりますが、良い結果が得られる近道を選んではいかがでしょうか。